競艇初心者

競艇のスタートと進入の基本|ST・フライング・スロー/ダッシュ・前づけをまとめて解説

執筆:水面ラボ編集部|更新日:2026-10-13

競艇は、6艇が助走しながら決められた時刻ちょうどにスタートラインを通過する「フライングスタート方式」で行われます。スタートの上手い下手と、どのコースから発進するか(進入)は、レース結果を大きく左右します。この記事では、スタートタイミング(ST)の見方、フライング・出遅れのルール、スロー・ダッシュ・カドの違い、前づけを含む進入の仕組みを、1本にまとめて解説します。

スタートタイミング(ST)とは

スタートタイミング(ST)とは

スタートタイミング(ST)とは、スタートの合図の瞬間から、その艇がスタートラインを通過するまでの時間差を秒で表した数字です。競艇は「フライングスタート方式」を採用しており、決められた時間ちょうどにラインを通過するのが理想とされます。STが小さい(0.00に近い)ほどスタートが上手く、大きいほど遅れ気味と判断できます。

競艇のスタートの仕組み

大時計とスタートライン

各レースには「大時計」があり、待機行動を終えた6艇は、時計の針が0を指す時刻に向かって助走します。針が0を指してからの1秒間がスタートの有効時間で、この間にスタートラインを通過すれば正常なスタートです。0秒より前にラインへ到達すると「フライング(F)」、1秒以内に通過できないと「出遅れ(L)」という反則になります。

スロースタートとダッシュスタート

スタートには、助走距離を短く取る「スロースタート(スロー勢)」と、大きく後方へ下がって助走距離を長く取る「ダッシュスタート(ダッシュ勢)」があります。枠なり進入では1〜3コースがスロー、4〜6コースがダッシュになるのが一般的です。ダッシュ勢は勢いをつけてターンマークへ向かえるため、まくりを狙いやすい反面、スタートのタイミングを合わせる難しさがあります。

STの数字の見方

スタートタイミングの目安の図。0に近いほど好スタートで、.05〜.14は好スタート、.15〜.19は標準、.20以上は遅れ気味、0より早いとフライング

目安となる数値

ST評価の目安
0.05〜0.14好スタート。先手を取りやすい
0.15〜0.19標準的なスタート
0.20以上遅れ気味。展開に置いていかれやすい
F(マイナス表記)フライング。反則で当該レースは欠場

「.」以下の2桁が実際のタイミングです。例えば「.13」は合図から0.13秒後に通過したことを示します。1走ごとに変動するため、選手の実力を見るときは1本の数字ではなく「平均ST」を確認します。

平均STの目安

平均STは選手の直近成績としてまとめられており、出走表や競艇公式サイトで確認できます。おおまかな目安として、A1級のトップ選手は0.14前後、A2〜B1級で0.15〜0.17前後、スタートが苦手な選手は0.18以上になる傾向があります。あくまで平均値なので、当地成績やその節の展示タイムと合わせて見るのが基本です。

STが予想に効く場面

STが予想に効く場面

  • まくり・まくり差しの気配:スタート展示で3〜4コースのダッシュ勢が鋭くスタートを決めていたら、外からの攻めが決まりやすい展開。1着候補を外まで広げます。
  • スタート隊形:スタート展示の「スリット(スタート直後の6艇の並び)」で、内の艇が遅れて外の艇が先行していれば、レース本番でも同じ形になりやすいと考えられます。
  • 「F持ち」の選手:直近にフライングをした選手は、次走以降しばらくスタートを慎重に構える傾向があり、持ち味のまくりが不発になることがあります。

STはどこで確認できる?

本番前のSTは、公式サイトや投票サイトの「出走表」に選手ごとの平均STとして掲載されています。当日の状態は「スタート展示」で各艇の動きとして確認でき、より精度の高い直前情報として「展示タイム」「周回展示の伸び」と合わせて公開されます。荒れた水面や強風時はスタートが乱れやすいため、展示の内容を重視して判断します。

フライング(F)・出遅れ(L)とは

フライング(F)・出遅れ(L)とは

フライング(F)と出遅れ(L)は、競艇のスタートで起きる代表的な反則(スタート事故)です。競艇は「フライングスタート方式」を採用しており、スタートの合図から1秒間の有効時間内にスタートラインを通過しなければなりません。この基準を外れた艇はレースから除外され、舟券は返還されます。出走表では、フライング歴のある選手に「F1」「F2」などの表記が付きます。

フライング(F)

どうなると反則になるか

大時計の針が0を指すより前にスタートラインを通過すると、フライングになります。STはマイナスで表記され(例:「F.03」)、その艇は当該レースを欠場扱いになります。

フライングのペナルティ

フライングのペナルティ

  • 当該レースの成績は欠場(着順なし)
  • その艇にかかわる舟券は返還
  • 一定期間の出場停止(通称「フライング休み」。回数が増えるほど期間が長くなる)
  • 事故点が加算され、勝率・級別審査に影響

「F持ち」とは

直近の期でフライングを切った選手を「F持ち」と呼びます。F持ちの選手は、次のフライングを避けるためスタートを慎重に構える傾向があり、持ち味の鋭いまくりが出にくくなることがあります。出走表のF表記とスタート展示のスリットを合わせて確認すると、その選手が強気に攻めてくるか、様子を見るかを推測しやすくなります。

出遅れ(L)

出遅れ(L)は、スタートの有効時間である1秒以内にスタートラインを通過できなかった場合の反則です。エンジンの始動不良や待機行動でのミスなどが原因で起こります。フライングと同じく当該艇は欠場扱いとなり、その艇がからむ舟券は返還されます。フライングほど頻度は高くありませんが、荒れた水面や強風時に発生しやすくなります。

返還金の仕組み

F・Lが出たレースでは、その艇を含む買い目がすべて返還対象になります。例えば1号艇がフライングした場合、「1」を含む3連単・2連単・単勝などはすべて購入額がそのまま払い戻されます。残りの5艇で決着した買い目は通常どおり的中・不的中が確定します。的中していても、F・Lした艇を1着や2着に選んでいた場合は返還(=プラスマイナスゼロ)になる点に注意が必要です。

F・Lが予想に与える影響

F・Lの予想への影響

  • F持ち選手の評価を下げる場面:まくりが持ち味の外枠選手がF持ちの場合、スタートで置いていかれて展開に乗れないリスクがあります。頭固定の信頼度は落として考えます。
  • スタートが乱れやすい条件:向かい風が強い、うねりがある、ナイターで視界が悪いといった条件では、全体的にスタートが慎重になり、内の逃げが決まりやすくなる傾向があります。
  • 展示スリットの確認:スタート展示でF持ち選手が明らかに引き気味なら、その節は無理をしないと読めます。逆に展示から踏み込んでいれば、本番も強気とみて評価します。

スロー・ダッシュ・カドとは

枠なり進入のスロー勢とダッシュ勢の図。1〜3コースは助走が短いスロー、4〜6コースは助走が長いダッシュ

スロー・ダッシュ・カドとは

競艇の進入隊形では、6艇がそれぞれの枠番から助走をつけてスタートラインへ向かいます。この助走の付け方によって「スロー勢」「ダッシュ勢」、そしてダッシュ勢のいちばん内側(枠なり進入なら4コース)を指す「カド」という呼び方が使われます。

スロー勢とダッシュ勢

スロー勢(1〜3コース)

枠なり進入の場合、1〜3コースの艇は助走距離を短く取り、時間を合わせてゆっくりスタートラインに進入する「スロースタート」を取ります。インコースを確保しやすく、安定して逃げ・差しを狙えるのが特徴です。

ダッシュ勢(4〜6コース)

4〜6コースの艇は大きく後方に下がってから加速する「ダッシュスタート」を取ります。スタート後の勢いを活かしたまくり・まくり差しが武器になりますが、スタートタイミングを合わせる難易度は上がります。

カド(4コース)の特徴

「カド」は、ダッシュ勢のいちばん内側のコースを指す通称です。枠なり進入(1〜3コースがスロー、4〜6コースがダッシュ)なら4コースがカドになります。カドはダッシュの助走をつけながら、内側のスロー勢を外から一気にまくれる位置で、「カドまくり」は競艇の代表的な攻め方のひとつです。前づけなどでスローとダッシュの構成が変われば、カドになるコースも変わります。

進入隊形と特徴まとめ

コース助走タイプ特徴
1コーススロー最もインを確保しやすく逃げが得意
2〜3コーススロー差し・まくり差しを狙いやすい
4コース(カド)ダッシュ助走をつけたまくりで一気に先頭を狙う
5〜6コースダッシュ外から展開を突く。一発の魅力がある

予想でのチェックポイント

枠なり進入か、前づけによってスロー・ダッシュの構成が入れ替わっているかは、番組表の「進入予想」欄やスタート展示で確認できます。進入(コース取り)の記事とあわせて確認すると、その日の隊形をより正確に予想しやすくなります。

進入(コース取り)と前づけ

進入(しんにゅう)とは

進入とは、スタート前に6艇がどのコース(1〜6コース)に並ぶかを決める駆け引きのことです。競艇の枠番(1〜6号艇)はピット離れの位置を表すもので、そのままレースのコースになるとは限りません。スタート前の「待機行動」の中で各艇がコースを取り合い、最終的な並び(進入隊形)が決まります。この隊形は勝敗に直結するため、予想では必ずチェックします。

ピットアウトから進入までの流れ

レース前の各艇の動きは、おおむね次の順番で進みます。

  1. ピットアウトピット(待機所)から一斉に発進する
  2. 周回展示本番と同じ水面を1周し、ターンや直線の伸びを見せる
  3. 待機行動スタートラインの手前でコースを取り合う
  4. 進入確定各艇のコースが決まり、助走に入る
  5. スタート大時計に合わせて一斉にスタートラインへ向かう

枠なり進入

枠なり進入とは、1号艇が1コース、2号艇が2コース……というように、枠番どおりのコースに素直に入ることです。現在の競艇では、この枠なり進入が全体の大半を占めます。枠なりであれば1〜3号艇がスロースタート、4〜6号艇がダッシュスタートになるのが基本形で、予想の前提として扱いやすい隊形です。

前づけ(まえづけ)

前づけとは

前づけとは、外側の枠の艇が、内側のコース(多くは1〜2コース)を奪いに行く動きのことです。例えば4号艇が1コースを主張して内へ切り込むと、本来1コースに入るはずだった1号艇は外へ押し出されます。

前づけのメリットとリスク

前づけをした艇は、外枠でも内側の有利なコースを取れる可能性があります。一方で、コースを奪い合う分だけスタートラインから離れた「深い進入」になりやすく、助走が足りずスタートが甘くなるリスクを抱えます。また、押し出された選手が逆に前づけを仕掛け返すこともあり、進入隊形が本番直前まで読みにくくなります。

進入が予想に効くポイント

進入のチェックポイント

  • スタート展示で隊形を必ず確認:出走表の枠番ではなく、スタート展示で見せた並びが本番の隊形になる可能性が高いと考えます。ただし展示と本番で変えてくる選手もいるため、直前情報も合わせて見ます。
  • 前づけがあると荒れやすい:進入が乱れると全体のスタートが不安定になり、まくり・まくり差しが決まりやすくなります。買い目は頭を広げる方向で組みます。
  • 選手の傾向を把握する:前づけを多用する選手や、逆にどんな枠でも枠なりで入る選手がいます。地元選手やベテランは自分の型を持っていることが多く、過去のレース傾向が参考になります。
  • 深い進入は内の逃げに不利:1号艇が前づけで押し出された場合、1コースを取り返しても助走が浅く、逃げ切れないことがあります。

よくある質問

STは小さいほど良いのですか?

基本的には0.00に近いほど良いスタートです。ただし0.00より前(マイナス)はフライングになるため、選手はコンマ1桁台前半をぴったり狙ってスタートしています。

平均STはどのくらいの期間の数字ですか?

一般的には直近6か月程度の成績を集計した数字が使われます。期別成績として区切られることもあるため、出走表の注記を確認してください。

スロー勢とダッシュ勢はどちらが有利ですか?

コースや水面によって変わります。1コースが強い「イン有利」の場ではスロー勢が、広い水面でスピードが乗りやすい場ではダッシュ勢のまくりが決まりやすい傾向があります。

スタート展示のSTは本番と同じですか?

同じではありません。あくまで練習なので選手が調整することもありますが、スタートの得手不得手や当日の感触をつかむ材料になります。

フライングをすると選手にどんな影響がありますか?

当該レースは欠場となり、舟券は返還されます。加えて一定期間の出場停止(フライング休み)や事故点が科され、成績にも響きます。詳しくはフライング(F)・出遅れ(L)とはで解説しています。

フライングした選手の舟券は必ず返還されますか?

はい。フライング・出遅れをした艇を含む買い目は、着順に関係なくすべて購入額が返還されます。

「F2」と書かれている選手は危険ですか?

その期にフライングを2回切っているという意味で、出場停止が長くなるため本人は非常に慎重になります。スタートが甘くなりやすい、と考えて評価するのが一般的です。

フライング休みはどのくらいの期間ですか?

回数によって変わり、1回で30日前後、回数が増えるとさらに長くなります。期をまたいでも繰り越されるため、選手にとって大きなペナルティです。

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ご利用にあたって

舟券を購入できるのは20歳以上です。ギャンブル等依存症に注意し、生活資金には手をつけず、余剰資金の範囲でお楽しみください。お困りの方・ご家族は、お住まいの自治体の精神保健福祉センターや、認定NPO法人 全国ギャンブル依存症家族の会などにご相談ください。